異国情緒の漂う坂道の多い街として知られる長崎。
出島や軍艦島などの観光名所はもちろん、佐世保バーガーや長崎ちゃんぽん、カステラなどのご当地グルメも盛りだくさんの街である。
アクセス
空港から長崎市内までは空港リムジンバスや通常の路線バスを使用して約1時間。
中心地はコンパクトな街づくりであり、ハウステンボスや佐世保などへ遠出するとしても電車やバスなどの公共交通機関が発達している。
そのため、レンタカーはなくても十分楽しめる。
観光
出島
アクセス
①路線バス
長崎駅前南口から長崎バス17番または27番に乗車し、「出島」で下車徒歩1分
②路面電車
長崎駅前から崇福寺行きに乗車し、「出島」で下車、徒歩4分(または「新地中華街」で下車、徒歩4分)
入場料
大人 520円、高校生 200円、小・中学生 100円
見どころ
出島は寛永13年(1636)に築造され、オランダ商館が閉鎖される安政6年(1859)までの218年間に渡り、わが国で唯一西欧に開かれた窓として日本の近代化に大きな役割を果たしてきた。
ここでは、鎖国期、幕末、明治時代に建てられた建物(復元)を見学できる。
当時の生活が再現された建物内に実際に入ることができるので、まるでタイムスリップしたかのような感覚を味わえる。
軍艦島
アクセス
長崎港から船で約40分。
「軍艦島上陸クルーズ」に乗船しないと上陸することができない。
現在5社の船会社が上陸クルーズを運航しており、いずれも事前予約が必要。
どの会社も1日2便の運航。
料金
会社やプランにより異なり、3600〜11000円ほど。
4000円前後のものが多い。
見どころ
小さな海底炭坑の島は、岩礁の周りを埋め立てて造られた人工の島である。
岸壁が島全体を囲い、高層鉄筋コンクリートが立ち並ぶその外観が軍艦「土佐」に似ていることから「軍艦島」と呼ばれるようになった。
最盛期の1960年には約5300人もの人が住み、当時、日本一の人口密度を誇っていた。
島内には小中学校や病院などを完備、映画館やパチンコホールなどの娯楽施設もあり生活の全てを島内で賄うことができたという。
また、当時は珍しかったテレビや洗濯機、冷蔵庫の普及率が高く、特にテレビは100%だったという。
端島炭坑の石炭はとても良質で、隣接する高島炭坑とともに日本の近代化に大きく貢献した。
しかし、主要エネルギーが石炭から石油へと移行したことにより衰退の一途をたどり、1974年に閉山。
2009年に観光客の上陸が可能となり、現在では多くの方が上陸ツアーに参加して軍艦島を訪れている。
2015年7月世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産 ~製鉄・製鋼、造船、石炭産業~」として正式登録された。
グルメ
長崎ちゃんぽん
1899(明治32)年、中華料理店『四海樓(しかいろう)』の店主・陳平順(ちんへいじゅん)氏が中国人留学生に安くて栄養があるものを食べさせようと、鍋で野菜や肉の切れ端などを炒め、そこに中華麺を入れて濃いめのスープで煮こんだボリュームたっぷりの料理を作ったのがはじまりとされている。
ちゃんぽんという名称は、中国語の簡単なご飯という意味の「喰飯(シャンポン)」がなまったものが由来という説と、ポルトガル語の混ぜる・混合するという意味の「ちゃんぽん」がなまったものが由来という説など、さまざまある。
入れる具は自由だが、一般的には豚肉と長崎特有のはんぺん(紅白かまぼこ)、キャベツ、ネギ、モヤシといった野菜類、イカ、エビ、アサリ(夏場)、カキ(冬場)といった魚介類を入れることが多い。
好みによって生卵をトッピングすることもある。
ほかの麺料理と大きくちがう点は、麺をスープで煮こむために、中華鍋ひとつで調理ができること。
現在、豚骨主体の濃いめのスープの長崎ちゃんぽんと鶏ガラ主体のあっさりめのスープの小浜ちゃんぽんが、県内における二大ちゃんぽんといわれている。
皿うどん
1899年(明治32年)に「ちゃんぽん」を考案した陳平順(ちんへいじゅん)が、汁なしのちゃんぽんとして作ったもので、その独自の味わいから、後年「ちゃんぽん」と並んで全国的に知られる麺料理に育っていった。
当初から伝わる「皿うどん」は、ちゃんぽんと同じ太い麺を使った焼きちゃんぽんで、近年よく食されている細いパリパリ麺に五目あんかけをかけるものとはちがう料理の側面がある。
長崎の人たちは前者を「太麺皿うどん」、後者を「細麺皿うどん」としてはっきり区別している。
なお、「皿うどん」という名称は、誕生当時、麺は椀や丼などの深い器に入れるのが常識だったところ、皿で出されたことで多くの驚きを誘い、そこから付けられたものだといわれている。
「太麺皿うどん」も「細麺皿うどん」も使う具材はほぼ同じだが、「太麺皿うどん」は炒めた麺をスープが残らなくなるまで調理し、「細麺皿うどん」は炒めた麺の上にあんかけをのせて仕上げるというちがいがある。
多くの長崎の人々はそのことをはっきり認識しつつ、どちらにも同じ長崎独自のソース(ウスターソース)や酢をかけて食べる習慣をもっている。
今回いただいたのは蘇州林の「極上皿うどん」。
長崎和牛や五島の車海老が豪華にあしらわれた一品。
蘇州林の皿うどんは、他店では見られないほど細い。
そのまま食べてももちろん美味しいのだが、お酢を入れるとグッと引き締まりさらに美味しくなるのでおすすめ。
トルコライス
トルコライスはトルコ料理ではなく、ひとつのお皿にトンカツ・ナポリタン・ピラフを盛り合わせた料理で「大人のお子様ランチ」とも呼ばれている。
長崎のご当地メニューとされているが、大阪や京都など他の地域でも様々な内容のトルコライスがある。
トルコライスという名前の由来は、ピラフがトルコ料理だからという理由や、3種類の料理から3色を意味する「トリコロール」の名がつき、“トリコ”が転じて“トルコ”になった…など様々な説がある。
私がいただいたのはLekker(レッケル)のトルコライス。
店名はオランダ語で「おいしい」という意味で、サッカーの吉田麻也選手が命名・デザインプロデュースをしたそう。
かなりボリューミーな印象だったが、そこまで大きくないため女性でも食べ切れるサイズ感。
それでは足りないよという大食いの人向けの大盛りもあるのでみんなが楽しめる店である。